種子繁殖について
サボテンを育てる方法には種子繁殖と栄養繁殖という2つの方法があります。このうちの種子繁殖とは種子を蒔いて繁殖させることです。種子は一般的に言う「種」であり、種子植物の胚珠が受精後発達したもので、これは種皮に包まれていて、胚とそれを養う胚乳を持っており、一定の休眠期間後発芽して新個体となります。
種子繁殖のメリットは一度に大量の苗が得られる点で、実際の繁殖においては時として個体変異が生じる可能性もあるため、試みられることが多くなっています。
同一個体の花粉が柱頭に受粉しても結実しないことを「自家不和合性」と言いますが、サボテンはこうした種類が多くなっています。そのため結実させるには同種の別個体の花粉を授粉させる必要があります。
なぜなら、ひとつの個体から挿し木などの栄養繁殖で増やされた個体同士では、親と遺伝的に同じのクローンなので、有性生殖は現実的に不可能で結実しないからです。又、果実や種子の大きさや形はサボテンの種類によってかなり異なるので、あらかじめ好みの種類を確認しておいた方がいいでしょう。
果実は緑色から赤色に熟すものが大半で、種子は通常黒色となっています。種子の採種方法としては、熟した果実を布やガーゼで包んで水中で洗い出すようにするのがいいと思いますが、ウチワサボテンのように果実に刺のある種類では刺されないように注意してください。ガーゼに種子が残ったら、お皿に載せて乾燥後播種してください。ちなみに特に小さな種子は播種後に土をかぶせる必要はありませんが、発芽するまでは乾燥させないよう底面吸水での灌水を行うようにしてください。