サボテンの育て方

栄養繁殖

 

次は栄養繁殖についてです。配偶子によらない生殖様式で、分裂~出芽~胞子形成による生殖のことを無性生殖と言いますが、栄養繁殖とは生物の無性生殖のことで、挿し木、接ぎ木、挿し芽などによって栄養器官の一部から新しい個体を作って増殖させる繁殖方法となっています。

 

挿し木は枝や吹いた仔を切り取って挿し木します。挿し木をする部分については鋭利な刃物で切るのが理想で、切り口は1週間程度日陰で乾燥させてください。ただし太い柱サボテンの場合は2~3週間程度は乾燥させる必要があります。

 

用土についは少し湿らせた砂やバーミキュライトなどを使いますが、挿し木する部分を用土に埋めたり刺したりしないで、静かに置いておくだけにしてください。もしも切り口が大きくなったなら、切り口の中心部が乾燥中にへこんでしまい、挿し木に支障がでることもあるので、そんな場合は周囲の皮の部分を削って中心部を突出させるような形状にして乾燥させるようにしてください。

 

挿し木に対して接ぎ木の方は、根腐れしやすい種を根腐れしにくい種の台木に接いだり、生長が遅い種を早い種の台木に接いだりできるので、栽培を容易することができるのがメリットとなっています。

 

一般的に台木として用いることが多いのはコノハサボテン、ハシラサボテン、ウチワサボテンなどです。台木がコノハサボテンなら、とがった台木の先端を接ぎ穂に刺してサボテンのとげで固定してください。ハシラサボテンやウチワサボテンでは、台木と接ぎ穂の維管束を一点合わせて、糸で活着するまで固定すればOKです。他にも特殊な接ぎ方として、実生接ぎ、一部の刺座部分に限定した接ぎ木などがあります。